EPO(ヨーロッパ特許)
欧州特許庁が2011年6月6日付けで特許出願に関する各種数値の統計を発表しています。今回の発表では2006年からの各種記録が発表されています。
出願数に関しては、2009年に一度落ち込みを見せた他は、2006年以降順調な伸びを見せ、2010年は23万5000件に増えました。2009年度と比べると23万7000件の伸びです。
国別の出願数をみると、今年もまた中国の伸びが目立ち、2001年には1828件であった出願数が2010年には12,698件と約7倍の伸びをみせています。韓国は2001年3047から2010年12342件と約4倍、台湾は299件から1167件への3.9倍、日本は26,074から41,917と約1.6倍の伸びです。
特許登録率を見ると、2006年との比較では、調査報告が出された後に出願が放棄される件数は18%から22%と4%の増加、審査中に放棄とされたものは、26%から35%と、9%の増加、そして特許登録は56%から43%と13%下がっています。
登録数が下がる中、Thomson Reuters と Intellectual Asset Management (IAM) magazineが共同で発表した主要国特許庁の審査の質を比較した情報をみると、欧州特許庁の審査質は群を抜いて素晴らしいと評価されている模様です。
欧州許庁は、2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震を受け、災害時の救済措置に関するルールの適用を発表しています。
今回の日本における災害に対する救済措置として、EPOはヨーロッパ特許条約規則134(5)に記載のルールを再度確認する内容を2011年3月15日付けで発表しています。該当の規則は以下の通りです。
規則 134 期間延長
(1) 期間が,規則 35(1)に基づく欧州特許庁の提出場所の 1 が書類の受付をしない日,又は(2)にいう以外の理由で,郵便がそこに配達されない日に満了するときは,その期間は,その後の,すべての提出場所が書類の受付をし,また,郵便が配達される最初の日まで延長する。
第 1 文は,規則 2(1)に基づいて欧州特許庁長官が許可する技術的通信手段の 1 によって提出48される書類を受領することができない場合に準用する。
(2) 期間が,締約国における郵便の配達又は発送に全般的混乱が生じている日に満了する場合は,その期間は,当事者であって,その国に居住しているか又はその国に営業所を有する代理人を指定している者に対しては,混乱期間の終了に続く最初の日まで延長する。その国が欧州特許庁の所在する国であるときは,この規定は,すべての当事者及びその代理人に適用する。この規定は,規則 37(2)にいう期間に準用する。
(3) (1)及び(2)は,手続が,管轄当局に対し,第 75 条(1)(b)又は(2)(b)に従って行われる場合に準用する。
(4) (2)に基づく混乱の開始の日及び終了の日は,欧州特許庁が公告する。
(5) (1)から(4)までを損なうことなく,関係当事者は,期間満了に先立つ 10 日間の何れかにおいて郵便の配達又は発送が混乱し,その原因が異常事態,例えば,自然災害,戦争,内乱,規則 2(1)に基づいて欧州特許長官が許可している技術的通信手段の何れかにおける全般的機能停止,又は当事者若しくはその代理人が居住し若しくはその営業所を有している地域における他の類似の事由であることの証拠を提出することができる。提出された証拠を欧州特許庁が認めるときは,遅れて受領された書類は,期限内に受領されたものとみなす。ただし,郵送又は発送が混乱終了後遅くとも 5 日目に行われることを条件とする。
欧州における救済措置に関しご質問等ありましたら、ご遠慮なく恵泉までお問い合わせください。
ご存知の通り、2010年4月1日より、欧州特許出願について、分割出願の時期的制限についての制度改正が施行されています。
これまでは親出願が継続中であればいつでも分割出願は可能でしたが、2010年4月1日以降は親出願に対して「最初の審査報告がだされてから24ヶ月以内まで」と制限が加わりした。ただし、基礎となる親出願が審査に係属していることが条件となっていますので注意が必要です。
また、新ルール施行前に審査報告が出されている出願を考慮し、2010年4月1日から6ヶ月間、猶予期間が与えられています。つまり、分割期限の満了日が2010 年4 月1日より前、または2010 年4 月1 日から6 か月以内の場合には、2010年4 月1 日から6 か月間(2010 年10 月1 日まで)は分割出願をすることが可能となっています。
尚、最初の審査報告が出された後に、単一性に関する審査報告をExamining Division(審査部)より受け取った場合には、起算日がセットオフされ、単一性に関する拒絶が起算日となります。
先述の猶予期間満了まで3ヵ月をきっていますので、再度ご自分の欧州出願を見直し、分割出願の期限をおよび必要性を検討することをお勧めいたします。