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折り紙作品自体の著作物性について

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これまで、シリーズで「折り方」の著作物性等について論じてきましたが、今回は、折り方の結果物としての折り紙作品の著作物性について論じてみたいと思います。

ある人が折った折り紙作品が著作物であることについては異議はないと思います。ただし、これまでも論じたように、その著作物の保護が、折り紙の折り方というアイデアの保護に実質的につながってしまう部分については著作物性が否定されます。すなわち、特定の折り方を実施したら誰でも同じ形に仕上げることができる部分については著作物性が否定されるということなので、折り紙作品が著作物であることについては異論はありませんが、作品によっては著作物性が認められる部分がきわめて狭いことになってしまいます。

例えば、ある人が紙を単に斜めに折って三角形状の「山」という作品を「創作」したとします。

これが、紙を対角線に沿って三角形折ったものである場合には、単に対角線に沿って折るだけで表現できる部分については著作物性が否定されます。したがって、その折り紙作品を見て、別の人が普通に三角形の山を作ったとしても、他人の著作物の複製や翻訳をしたということには当たらないということになります。一方、三角形であることに加えて、ちょっとずらして折ったとか、先端部をくしゃくしゃにして独特の形にしたなどして個性を出した場合には、その部分には著作物性は認められます。これは意識的にやった場合でも無意識で単に失敗した結果偶然にそうなった場合でも同じです。通常の折り紙作品の場合には、同じ折り方を実施したとしても、完成した折り紙作品には失敗した場合も含めて折る人によって多少の個性が出るでしょうから、その個性の現れた部分について、その折った人固有の著作物性が認められるということになります。そうやって考えれば、著作物性の認められる範囲は狭いですが、折られる折り紙一つ一つが子供が折ったものであれ折り紙作家が折ったものであれ独立した著作物であるとことについては間違いのないところでしょう。

同じことは、複雑な創作折り紙作品についても言えます。

折り紙の折り図を見たか否かを問わず、特定の折り方を実施して出来上がる形のうち、誰が実施してもその形になるという部分については、著作物性は否定されるべきです。それは、どんな複雑な折り紙の場合も同じです。ただし、折り手によって多少の個性は出るでしょうから、その部分には当然著作物性は成立します。ただし、難しい「牛」の折り紙を折った場合に、しっぽをもう少し右に曲げるとか、角をもう少し立てるとかいう程度の作品自体の多少のアレンジに著作物性が認めらるかということになると、難しいと思います。結果的には、折り紙作品は、上述したように違う折り手が折るたびに別々の著作物が発生しているということになることには間違いはないとは思いますが、誰かが自分の折った折り紙をまねしたとかいう程度の類似部分には著作物性はないということになるかと思います。

一方、その牛とか山を、ステージに配置する等してジオラマ作品を作った場合やその写真を撮った場合には、その配置の仕方やステージの大きさや色等や写真のアングルに無限の組み合わせがあるので、著作物性が認められる範囲が広くなります。その場合には、牛の首がどっちを向いているとか、しっぽが上がっているとかいうことも含めて、個性が発揮される部分でありますが、個々の牛だけを取り出して問題にするべきものではなく、ジオラマ作品全体として判断しなければならないのは言うまでもないでしょう。

結果として、特に、作者が折り方を公開してしまった折り紙作品については、誰かが折り図に基づいてその折り方を実施して作った作品についてその作者が著作権侵害を問うことは極めて難しいと思われます。実際には、作者が折り方を公開しようが、第三者が公開しようが無関係で、そのことにより著作権侵害の成立性が変わることはないと思われます。

繰り返しになりますが、これは個人的見解であり、個別の事件を想定したものではありません。個別の事件については必ず専門家のアドバイスを求めるようにお願いします。




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