情報提供制度
2011年9月16日付けで、オバマ大統領の署名をもって、米国特許法改正(Leahy-Smith American Invents Act)が正式に成立しました。今回の特許法改正は、特許審査の再開に繋がった1836年の特許法改正立以来、最も重要な改正であるとも言われています。
改正の内容には、「先発明主義」から「先出願主義」に移行される重要な改正も盛り込まれており、注目されていたものです。
また、諸手続きの面でもこれまで発明者のみが出願人となれた規定から、団体が出願人となる事ができる事に関する規定や、オフィシャルフィー減額の対象として新たに設立されるMicro Entity Status、更には第3者の異議申し立て(再審査請求および第3者による情報提供を含む)に関する各種規定が改正される事となり、今後の出願に大きく影響を与えるとても重要な改正となっています。
施行の時期に関しては、段階を追う設定です。
今回の特許法改正に関しご興味のある方は、以下、可決となった法案をご覧ください。
http://www.uspto.gov/aia_implementation/bills-112hr1249enr.pdf
ご存じない方も多いと思いますが、米国の特許制度においても、第三者による情報提供制度が存在します。ただし、出願公開から2ヶ月以内、もしくは許可通知(Notice of Allowance)が発行されるまでのいずれかの内早い日まで(実質的には出願公開から2ヶ月以内だと思います)に手続きをとる必要があるという制限があります。日本にはこのような時期的制限はありません。
また、米国情報提供制度においては、技術に関するコメントや重要箇所の指定、またはマーキングなどは許されません。この点でも、日本の情報提供制度とは相違します。
情報提供の手続きとしては、情報提供者は、まず、出願人側に提供情報を直接送付しなければなりません。次に、特許庁への情報提供を、出願人側に送付済みであることの証明(郵便証明)と共に提出することになります。また、この際オフィシャルフィーを払う必要があります。
なお、上記提供情報を受けった出願人の対応措置としては、実務的には、この制度で特許庁に提出した先行技術を、IDSとしてもう一度出願人側から提出しなおすことが推奨されています。IDSとして提出しなければ、審査官による審査の対象となることが担保されないからです。弊所において最近情報提供した事案においても、特許出願人から、弊所が提出した文献をIDSとして提出しなおす措置が迅速に取られていました。