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情報提供制度

20119月16日付けで、オバマ大統領の署名をもって、米国特許法改正(Leahy-Smith American Invents Act)が正式に成立しました。今回の特許法改正は、特許審査の再開に繋がった1836年の特許法改正立以来、最も重要な改正であるとも言われています。

改正の内容には、「先発明主義」から「先出願主義」に移行される重要な改正も盛り込まれており、注目されていたものです。

また、諸手続きの面でもこれまで発明者のみが出願人となれた規定から、団体が出願人となる事ができる事に関する規定や、オフィシャルフィー減額の対象として新たに設立されるMicro Entity Status、更には第3者の異議申し立て(再審査請求および第3者による情報提供を含む)に関する各種規定が改正される事となり、今後の出願に大きく影響を与えるとても重要な改正となっています。

施行の時期に関しては、段階を追う設定です。

今回の特許法改正に関しご興味のある方は、以下、可決となった法案をご覧ください。
http://www.uspto.gov/aia_implementation/bills-112hr1249enr.pdf

一般を審査過程に参入させ行技術情報を提供させることにより、登録特許の質の向上を目指して始まったPeer-to-Patentプログラムの第1弾が、2009年6月15日をもっていったん打ち切られましたが、この度米国特許庁(USPTO)とNYLS(New York Low School)が協力をして、第2弾を実施すると発表しています。

このパイロット・プログラムは2010年10月25日から1年の間に、1000の特許出願がレビューされる予定です。前回実行されたパイロット・プログラムで対象となったソフトウェア、およびビジネスメソッド出願に加え、バイオテック、バイオインフォマティクス、テレコミュニケーションおよびスピーチ認識分野まで拡張されています。

ちなみにSPTOの発表によると、第1回Peer-to-Patentプログラムでは、189件の出願に対し600を超える先行技術情報が提供され、140カ国を超える国から2700を超える人々がこのプログラムにサインアップをしたとのことです。 

このプログラムに登録をして、先行技術情報を第三者に提供してもらいたい場合には、自分の特許出願が該当のクラスに当てはまるかを特定した上で申し込みをします。
(リストの一覧表はこちらをご覧ください。)

先行技術情報を提供する側に興味のある方は、Peer-to-Patentのサイト(こちら)からこのプログラムにサインアップをし、興味のある出願を選択します。(現在情報提供を受け付けている出願のリストはこちらをご覧ください)。有効な先行技術がある場合には、このサイトを通して先行技術情報を提供します。情報提供の窓口が開いてから3ヵ月間、第三者が先行技術情報を提供する期間があり、その後提供された情報の中でもより有効な上位6件がUSPTOに対し転送されます。

このプログラムにおいては第三者に理由を述べる機会が与えられています。特許出願の公開から3ヵ月間設けられている第三者による情報提供の制度では第三者に理由を述べる機会が与えられていません。従って、今回のパイロット・プログラムは通常の情報提供システムと比べても利用価値の高いプログラムなのではないかと思います。

このプログラムに興味のある方は、米国特許庁のサイトおよびPeer-to-Patentのサイトをご覧いただくか、弊所までご遠慮なくお問い合わせください。



ご存じない方も多いと思いますが、米国の特許制度においても、第三者による情報提供制度が存在します。ただし、出願公開から2ヶ月以内、もしくは許可通知(Notice of Allowance)が発行されるまでのいずれかの内早い日まで(実質的には出願公開から2ヶ月以内だと思います)に手続きをとる必要があるという制限があります。日本にはこのような時期的制限はありません。

また、米国情報提供制度においては、技術に関するコメントや重要箇所の指定、またはマーキングなどは許されません。この点でも、日本の情報提供制度とは相違します。

情報提供の手続きとしては、情報提供者は、まず、出願人側に提供情報を直接送付しなければなりません。次に、特許庁への情報提供を、出願人側に送付済みであることの証明(郵便証明)と共に提出することになります。また、この際オフィシャルフィーを払う必要があります。

なお、上記提供情報を受けった出願人の対応措置としては、実務的には、この制度で特許庁に提出した先行技術を、IDSとしてもう一度出願人側から提出しなおすことが推奨されています。IDSとして提出しなければ、審査官による審査の対象となることが担保されないからです。弊所において最近情報提供した事案においても、特許出願人から、弊所が提出した文献をIDSとして提出しなおす措置が迅速に取られていました。

本制度では、技術の関連性に関する説明ができないという欠点はありますが、出願人にIDSを提出させるための手段としては非常に有効で利用価値のある制度であると思われます。