出願依頼の仕方
米国出願はいつまでに依頼すればよいのでしょうか。
余裕をもって期限の2月前というのが、ほとんどの事務所の要求のようです。
ただし、事務所によって違うので事前に確かめましょう。
出願の依頼は、「出願依頼書」によって行います。
出願に記載するべき情報は、口頭の指示で伝えられるものではなく、必ず紙面で行うべきでしょう。
日本の弁理士を通して米国出願をする場合には、日本の弁理士が出願人に代わって現地の米国弁理士に出願依頼書を出してくれますのでは心配はいりません。
特に、PCT出願からの国内移行である場合には、出願人のローマ字表記を含めてすべての情報が日本弁理士側にありますので追加で伝えるべき情報はないと思われます。
直接米国弁理士に依頼される場合には、その米国弁理士に出願依頼書のフォーマットをもらうといいと思います。日本の弁理士に依頼する場合に比べてはるかに多くのことを聞かれますが、不明な点については不明である旨を伝えればよいし、最終的な出願依頼書の内容を確認する機会もありますので、その米国弁理士に任せればよいでしょう。
米国出願するには、この依頼書に加えて、英文の明細書、図面、その他、宣誓書や先行技術開示書等、各種フォームが必要になりますが、これについて後述したいと思います。
米国出願をするには、米国出願を代理する登録米国弁理士(Patent Agent/Attorney)を選定する必要があります。といっても、USPTOに登録している米国弁理士(Patent Agent/Attorney)は3万人以上もいますし、全員が現在実務をしているわけではありませんし、実務をしていても全員がWEBページを開設しているわけではありませんから、どのように選定すればよいのかわからない場合も多いと思います。
したがって、多くの場合、たまたま知り合った米国弁理士か、担当の日本弁理士がたまたま知り合ったり以前に仕事をしたことのある米国弁理士を選定する傾向にあるようです(というか、それしか手段がない!)。
ただし、他の国と異なり、米国はビジネス戦略上、非常に重要であると思いますので、米国弁理士の決定は出願人自身の責任でするべきでしょう。すでに知り合いの米国弁理士がいるときには、その方と話し合って決めるべきでしょう。
日本の弁理士を通して米国出願するときには、日本弁理士のお勧めの米国弁理士を選択することは賢明だと思います。一般に、そのお勧め米国弁理士とはコミュニケーションの手段がすでに確立されていることが多いからです。ただしその場合でも、その米国弁理士がどのような人物や事務所であるかを確かめることは重要であると思います。場合によっては、出願人自身が米国弁理士を指定することも可能ですし、一般に、日本の弁理士に歓迎されると思います。
米国での特許取得と特許の維持には、相当のお金がかかりますから、単に商品化できるかだけではなく、市場規模等についても検討する必要があります。
一方で、とりあえず先願権を確保する目的や、他人の特許取得を妨害する目的(後願排除といいます)、自身の現在の事業を防衛する目的(防衛出願といいます)の特許出願もあると思います。
お金をかけずに先願権を確保するには、例えば、仮出願を利用する方法があります。仮出願は、方式等の要件が要求されないので、日本出願よりも安価に世界での先願権(優先権)を確保できる利点があります。
後願排除について、アメリカでも、出願公開により拡大された先顔の地位による後願排除効を得ることができますが、これは、英語で公開された出願にしか与えられません。このため、米国で後願排除効を得るには、上記の仮出願を利用するか、英語でPCT出願をする方法が考えられます。
一方、防衛出願の目的であれば、日本出願が出願公開された場合でも、一般的な公知技術化できるので、米国出願する必要はないかもしれません。
いずれにしても出願方針を決定する場合には、必ず担当の日本弁理士若しくは米国弁理士に必ず相談するようにしてください。