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付与後異議申立てと当事者系レビュー

 AIA施行以前は、特許が登録された後に再審査を請求する手続きとして、査定系再審査請求Ex parte reexamination)と当事者系再審査請求(Inter partes reexamination)の制度がありました。いずれの制度も第三者が特許の無効を請求する手続きとしては利用しにくい側面がありました。そこで今回の改正により、当事者系再審査請求の制度は当事者系レビュー(Inter partes review)に取って代わり、また新たに付与後異議申立て(Post grant review)の制度が導入されました。

 査定系再審査請求は特許権者とUSPTOの間で手続きが実施され、第三者は文献を提供する程度にしか手続きに関与することができません。これに対し、付与後異議申立て手続きと当事者系レビューの手続きでは特許権者と第三者との対立構造で、ディスカバリの手続きも小規模ながらあり、第三者が積極的に手続きに関与することになります。

 付与後異議申立て手続きと当事者系レビューの手続きの流れはほぼ同じですが、付与後異議申立ては特許付与後9ヶ月以内に行わなければならず、当事者系レビューは異議申立て期間の9ヶ月が過ぎた後、又は異議申立て手続きが終結した後に申し立てることができ、どちらの手続きにおいても、特許権者以外の第三者が申し立てることができます。

 付与後異議と当事者系レビューのその他の主な相違点は請求の根拠と手続き開始の要件です。

 まず、請求の根拠は、付与後異議申立ては特に制限がありませんが、当事者系レビューは新規性と非自明性の欠如の限定されています。

 付与後異議申立て手続きの開始要件は、特許が無効である可能性が有効である可能性より比較的高い(more likely than not)、又は請求が他の特許や出願にとって新しいあるいは決着のついていない法律問題( a novel or unsettled legal question that is important to other patents or patent applications)を提起する場合です。これに対し、当事者系レビューの手続き開始要件は、請求が認められる合理的可能性(reasonably likelihood)が必要で、付与後異議手続きの開始要件よりハードルが少し低くなっています。

 USPTOに支払う料金は、付与後異議申立ては$35,800で、当事者系レビューは$27,200とかなり高額になっています。また、代理人費用は案件の複雑さやディスカバリの規模等によりますが、これもかなり高額になるでしょう。しかし裁判所で訴訟を行うとこれ以上の費用がかかると予想されます。

 どちらの手続きも原則1年以内に終結することになっており、裁判所での訴訟より期間的にも短く費用的にも低く抑えられますので、訴訟を開始する前に係争を解決する手続きとして利用されることが期待されます。

 

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