米国特許出願、米国特許の取得を支援する米国弁理士・米国特許弁護士の情報サイト

米国出願までの手続

近年の特許法条約(Patent Law Treaty)への加盟に伴い、米国は優先権の主張期間(特許は12ヵ月、意匠は6ヵ月)経過後であっても、当該期間経過後2か月以内の出願に対して外国出願に基づく優先権の回復を認めるよう規則の改正を行いました。

優先権の回復を行うためには米国特許商標庁に対して所定の請願費用(1,700ドル、中小企業については850ドル(2014年10月31日時点))と共に請願書を提出し、当該請願書において徒過が意図的ではなかった(unintentional)ことの陳述を行うことが必要となります。

日本ではこのような優先権の回復に関する規定は設けられておりませんので、日本での実務感覚に基づくと米国での優先権主張の機会を逃してしまうおそれもあり注意が必要です。

優先権の回復手続き自体は比較的に容易ですが、種々の留意点もありますので、米国出願に際しては専門家である米国弁理士まで必ずご相談ください。
ご存知のとおり、米国特許制度は2013年3月16日をもって完全に先願主義に移行しました。これに伴い、仮出願の活用法について見直す動きが広がっています。

「仮出願」は、本出願と異なり、様式や必要書類について細かい要件がないので、気軽に利用できるのが特徴です。たとえば、クレームを記載する必要もありませんし、情報開示や宣誓供述書等を揃える必要がありません。このため、大学や起業家、個人発明家のようにライセンス先が決まるまでは多額の費用を掛けることができない小規模出願人にとって、非常にメリットがあるとされ、広く利用されてきました。これらの出願人は投資家等へのアピールのため、とりあえず出願をしているという事実がより重要だったからです。

この仮出願制度のメリットが法改正によりどのようになるのか、実は、専門家である米国弁理士(Patent Attorney/Agent)の間でも色々意見が分かれています。

なぜかというと、改正前の先発明主義の下では、仮出願の開示レベルが乏しくてそのままでは優先権の有効性が疑われる場合であっても、最悪の場合は、インターフェアランス(抵触審査)という手続で先発明の事実を立証すればよかったのが、改正後の先願主義においては仮出願の開示内容にしか依存できなくなったからです。

このため、ある専門家は、仮出願は、本出願と略同じレベルの開示内容にしなければ、後で権利の有効性に大きな影響が出るとして警告をしています。本出願と同等の開示内容を求められるとすると、弁理士にかかる費用がかさむことになり、仮出願のメリットは少なくなり、わざわざ仮出願と本出願とを分けて出すことに疑問が生じることになります。実際、いくつかの大学では、開示内容を充実させるための工夫を始めているところがあるようです。

一方で、別の専門家は、先願主義の下では、より早く出願することが重要になるため、仮出願の重要性が増すと指摘しています。もちろん、開示レベルの高い本出願を従来よりも早く準備して出すことができれば言うことはないのですが、開示レベルの高さと準備時間は比例します。出願内容のレベルを高めている間に、先に、より開示レベルの低い仮出願を他人に出願されてしまったらどうするのか、特に、改正後は、仮出願の日が先願主義下の「有効出願日」となりますから、開示のレベルが低かったとしても、その仮出願が本出願のクレーム開示をサポートしている限りは後の出願はこれに勝つことができません。

一方、旧102条(e)に対応する新102条(a)(2)によれば、先の出願は、後でその出願が出願公開された場合、有効出願日を基準に後願排除のステータスを得ます。仮に特許を取得できなかったとしても、他人の出願の特許化を阻止する効力を持つのです。この意味でも他人より一秒でも早く出願しておくことが求められます。

私見ですが、改正後の仮出願活用戦略は、開示レベルの異なる複数の仮出願を段階的に出すことではないかと思います。本出願だからと言って開示が十分であるとは限りませんし、やはり先願主義の下ではより早い出願が勝つのが原則だと思うからです。したがって、戦略としては、仮出願で1日も早い優先日/有効出願日を確保しつつ、仮出願のみに頼らず、より開示レベルの高い別の仮出願若しくは本出願を1日も早く出していくことがが重要なのではないかと思います。

なお、この記事は、法律アドバイスではありません。今後仮出願を利用される方は、ご自身の米国弁理士等、米国特許制度に詳しい専門家にアドバイスを求め、より慎重に手続を進められることを是非ともおすすめします。

「基礎出願」とは、米国出願の基礎となる、日本出願のことを言います。

もちろん、最初から米国出願することも可能ですが、日本人出願人の場合、ほとんどの場合、日本で先に出願をして、それに優先権を主張して米国出願することになります。この場合、先の日本出願が、米国出願の基礎出願となるわけです。

 

「仮出願」とは、12カ月以内に仮出願を優先権主張の基礎として「本出願」をしないと、自動的に放棄されてしまう、文字通り仮の出願です。仮出願は審査されないので、費用が非常に安く、かつ優先権を確保できるという利点があります。

典型的な利用方法は、大学や個人発明家のようにライセンス先が決まるまでは初期費用が掛けられない出願人が優先権を確保するために出すような場合です。本出願と異なり、様式や必要書類について細かい要件がないので、気軽に利用できるのが特徴です。たとえば、クレームを記載する必要もありませんし、情報開示や宣誓供述書等を揃える必要がありません。

仮出願は日本語等の英語以外の言語でも行うことができます。

仮出願がパリ条約優先権主張の基礎(基礎出願)になりうるかについては議論がありますが、ほとんどの国、少なくとも、日本、欧州では認められています。また、仮出願に優先権を主張して国際出願を行うことも可能で、日本の大学も多くがこの仮出願制度を利用しています。

仮出願を米国弁理士に頼んだ場合の費用ですが、大体10万円程度です。
これで、米国出願番号が取得できることになります。

日本特許庁(受理官庁)に提出した国際出願で米国を指定国としていれば、優先日から30月以内に米国に移行することができます。

国際出願が日本語の場合には、国内移行する際もしくは移行後に英語の翻訳文を提出することができます。費用の発生をできる限り遅くしたいのであれば、USPTOから翻訳文の提出命令を受けてから提出することも可能です。 

なお、国際出願からの国内移行の仕方として、いわゆるバイパス方式と呼ばれる方法もありますが、これについては後述します。

米国へ国内移行する際、上記した通常の国内移行手続ではなく、CIP出願(一部継続出願)として出願することを、バイパス方式若しくはバイパス出願といいます。この方式の場合、米国に移行する際に新しい発明事項(新規事項)を明細書等に盛込むことが可能です。通常の国内移行にするか、バイパス方式にするかは、出願戦略にかかわることですので、必ずご担当の米国弁理士のアドバイスを仰ぐようにしてください。
下記のページに、米国特許庁の特許取得フローが掲載されています。
http://www.uspto.gov/patents/process/index.jsp

私たちがこのサイトに情報を提供しています!

  • 米国/日本弁理士 矢口太郎
  • 米国弁護士 竹下このみ
  • 米国弁護士 大澤淑子
  • 米国弁理士 小林明子
  • 米国パテントエージェント 尾城日奈子
  • 特許技術者 山口美紀

連絡先:
KEISEN ASSOCIATES
Suite #1300
Eight Penn Center Bldg.
1628 JFK Blvd, Philadelphia
PA 19103, USA
T. 1-215-701-6349
F. 1-215-751-0192
usmail@keisenassociates.com

日本での連絡先:
恵泉国際特許事務所
03-5298-6552(代表)